Artist's commentary
これ、あげますから!
「司令!辞めちゃうって本当ですか!?」
荷物を纏め執務室を出たところで呼び止められた。
「司令!」
浦波はこちらに駆け寄り。
「二次改装でこれからも宜しくって言ってくれたじゃないですか!」
拳を握りしめ涙を蓄えた真剣な眼差しで訴えてくる。
この瞳に弱い、だがここで流されてしまうとズルズル行ってしまうのだろう。
「私は長年に渡る死闘で身も心もヘトヘトに疲れ果てたんだよ…」
そう浦波に語りかけると
「そんなマッスルリターンズのセリフで誤魔化そうとしないで下さい!」
何でそんな事分かるんだこいつ。
「司令…本当に、本当に私達の前から居なくなっちゃうんですか!?」
「何を言っても愚痴にしか…俺は疲れちゃったんだよ…ご免」
「そんな…急に…私、司令に何も用意してあげれてない…」
それ以上は嗚咽で言葉にならない…
「浦波…元気でな」
そう言って踵を返そうとすると
「じゃあ、せめてこれを!」
そう言い浦波はスカートの中に手を突っ込むと下着を引き下ろし、それを俺の目の前に差し出した。
「その…夜伽の時に私の下着をよく弄んでいましたよね。
そんなに好きなのかなって…だから、あげます!」
差し出された勢いで受け取ってしまった浦波の下着はほんのり温かい。
頭が軽く混乱しており、取り敢えず眼の前で下着を広げてみる。
「浦波の…下着」
シンプルな下着だが何か熱い想いが伝わってくる…
ドクンッ
「フゥ…フゥ…」
ドクン ドクン
何だ、熱い…熱すぎる、体の奥底から湧き上がってくるこの感情は…
「司令?大…丈夫ですか?」
体内の熱気に押され俺は握りしめた下着を顔に被った
「フォォォッ!」
「し、司令!?」
突然の事に戸惑う浦波をよそに俺の体内から更なる熱がこみ上げてくる、これをどう処理すればいいんだ!
「浦波!」
「は、はいっ!」
「相撲しようぜ!」
「えっ?」
※相撲です
※相撲です
※相撲です
激しい相撲(意訳)の果てに力尽き、荒くなった息を整えられずその場に倒れ込む浦波
「ふぅぅぅぅ…ごっちゃんです」
そう言うと倒れ込んだ浦波を肩に抱え歩き出す。
鎮守府での戦いが終わり浦波との二人の生活が始まる。