Artist's commentary
にとりちゃんに河童の内で流行っている遊びだよと言われて・・・
きゅうりゲームというのをやってみた。なんでもお互いの信頼を確かめ合うものらしい。ルールは簡単。きゅうりの端っこをお互い咥えて、相手の顔を見つつ、きゅうりを食べていくというもの。途中で、きゅうりから、口を離したり、目を逸らしたりすると、相手に対する信頼が不足しているんだって。『盟友、面白そうだから、やってみようよ?』と、にとりちゃんは提案した。僕は正直な所、困ってしまった。だって、そうじゃないか?これって所謂ポッキーゲームをきゅうりに置き換えただけのもので。にとりちゃんの様な可愛い子とそういう事が出来るのは大歓迎さ。でも、こういう事は、もっと、違う意味で親しい間柄の人達がやるべきなんじゃないのかな?。例えば恋人同士とか。『そう?単なる遊びだよ。それとも盟友は私に信頼を置いていないのかな?』とにとりちゃんは大した事ないといわんばかりに笑った。難しい機械等をなんでも発明してしまうにとりちゃんはとても凄いけど、理系の女の子はどうもその辺の感情に疎いようである。さて、そんな訳で始まった。きゅうりゲーム。僕は、恐る恐る、きゅうりを咥えて、にとりちゃんを直視する。にとりちゃんはもう片方のきゅうりの先端を咥えてにやにやと笑っていた。そして、にとりちゃんの方から、ゆっくりときゅうりを食べ始めた。にとりちゃんの小さい口には、咥えるのが精一杯で、食べ進めるのは、難しそうである。いつまでも、咥えたばかりではいられないので、僕もきゅうりを食べ進める事にした。きゅうりは生で、とても食べづらい。塩をかければよかった。そんな風に、味を気にしつつ、食べ進んでいると、にとりちゃんの口が止まっている事に気づいた。そして、僕が食べ進めるにつれ、にとりちゃんの目はどんどん熱っぽくなっていって、僕の肩をつかむ手にかすかな振るえを感じるようになった。僕はにとりちゃんの異変に戸惑い、口を止めると、一瞬悲しそうな目をして、にとりちゃんは僕の肩をぐいっぐいっと自分の方に引き寄せる。僕は、何がどうなっているのか分らずとも、とりあえず食べ進み、結局、きゅうりのほとんどを食べた。終わり間際、かすかににとりちゃんの唇に、触れて、にとりちゃんは身体をビクつかせた。顔を真っ赤にして震えておるにとりちゃんに僕はどう接すればいいか判らず、突き放される覚悟で抱きしめてみたら、にとりちゃんはただ、僕に体をあずけてわっふるわっふる