
Artist's commentary
早朝に娼婦が気絶して発見される事件が後を絶たない。
16××年―――男はお忍びで夜の城下町を徘徊していた。竹林が茂る一帯をひたひたと歩く。 ―――――と。林の小道から提灯の明かりが近づいてくる。・・・男の存在に気が付くと、明かりを照らす者がこちらの方に向かってきた。まだ風貌に幼さを残す若輩ではあったが、男は落ち着いている。正体をわかっていたからだ。「もし・・・」緑色の美しい髪、クリクリとした瞳、ふっくらと柔らかそうな唇、紫色の着物を着崩し、大きな乳房を覗かせるその女は声をかけてきた。まるで子猫のように甘える・・・妖艶さを含ませた声だ。歩みを止めた男に彼女は触れてしまう程の距離まで近づき、耳元でこう囁く。「あたしと遊ばない?」 挑発的な笑みを浮かべ少し体をもじらせる。その振動で大きな乳房は、ぷるんと揺れる。大抵の男であれば、クラリときてしまうであろうその容姿・・・だが、彼は慣れているかのように彼女の手を取り、妖しく灯る秘密の宿へと足を運ぶ。 「うふふ、暗がりではわからなかったけど、よくみると若い坊やじゃないか。でも・・・持ってそうだねぇ」宿の一室を借り、布団の上でクスクスと娼婦は言う。 『持ってそう』・・・彼女は金銭の事を言っているのだろう。それを聞き男はニヤリといたずらっぽい笑みを浮かべる。「うん・・・持ってるよ。ほら・・・」そういうと、男は着物を脱ぎ始める。するとふんどしを持ち上げ熱気を発したイチモツが娼婦の目の前に姿を現す。「!!」少年のようにあどけない外見とは似つかわしくないそのイチモツを前に、瞳を大きく見開き娼婦は凝視する。ふんどしでは隠しきれないほどの大きく膨らんだソレは、今まで・・・生まれてきてから始めてみるのだろう。「お・・・おっきぃ・・・こんな・・・」驚きの表情は次第に困惑の色に変わっていく。彼女は上目づかいで彼を見つめる。「あなた・・・本当にこの国の方なの?海から来た人は何人か相手にしたことはあるけど・・・こんなに大きいのは見たことがないわ・・・。」「ふふ、いいね、その困った顔。かわいいよ」 ・・・時たま、城下町の娼婦が気絶して発見されるという事件が起こる。その犯人が誰であるか、正体を知る者は一人だけである。