Artist's commentary
1949「トゥルーデの手記」②
1946年に行われたカールスラント奪還作戦より三年後。
軍を離れたバルクホルンは501統合戦闘航空団の隊員達の行く末を訪ねて手記にまとめていた。
かつてのJFW所属時に記録係も担当していた彼女は「その後」をも記録・・・いや記憶したかったのだ。
『1949年、ウルスラ・ハルトマン博士はカールスラント解放戦線後も技術省に留まり研究を継続していた。1947年アウストラリス連邦に出現した巨大ネウロイの巣から発生する怪意どもは、人類の記録において太古に見られた怪物の様相に極めて近く実に生物的な姿であり『一種の生態系があるのではないか』とまで推測されている。同年、不足する情報を補うため観測技術を一層向上させる話が持ち上がり、かつて解放戦線にて最大戦力となった扶桑技術「企画YATA」を加えた「妖精・バルトアンデルス」の鏡面転送記録技術を発展させたカメラが製作される。詳しい事はわからないのだが、写真や動画を媒体に記録しつつ、同時に技術省に設置された個人認証サーバーに転送し保存される。ウルスラ・ハルトマン博士はその製作者であり管理責任者でもあるのだ。』