Artist's commentary
飛ばねぇクマはただのクマだ
「401は巡航潜水艦扱いだけど、もともとの伊号401は「潜水空母」だったのよね? 世界にも例を見ない兵器としてかつての人間たちを驚かせたそうだけど・・・でも、あの子が艦載機を運用しているところなんて見たこと無いし、そもそも持ってないんでしょ? それじゃ潜水空母じゃないわね。確かに巡航潜水艦よ。」
「だったら私が姉さまの艦載機を作ればいいんだろう!?」
※現代ですらSF作品の中にしか登場しないような変態兵器「潜水空母」。そんなものが70年も前にリアルに存在して、しかも実戦配備されていたという事実。恐るべし、ニッポンの技術。…してみれば3DCGをわざわざ2Dセルアニメっぽく見せるというのも、いかにも日本人らしい発想と言うべきなのか。そんなこのアニメに伊号潜水空母の艦載機として設計、開発された特殊攻撃機「晴嵐」が登場しないのはむしろ不自然! …などと適当な事を言いつつ筆をとったのだが…いやはや、手間のかかることかかること。
一応説明させてもらうと、本イラストはComicStudioで下絵(ペン入れ状態)を描き、それを画用紙に印刷し、水彩、カラーインク、ガッシュで着色しています。また、スキャナで読み込んだ後、Photoshopで少しだけ修正しています。なので「アナログ」タグをつけてはいますが、完全なアナログとは言えません。ご了承ください。
「…そんな事より、なんで私が巻き添えになるんだ!? 大体どうして空など飛ばねばならんのだ。私は霧だぞ。霧の大戦艦、そのメンタルモデル! …そして今ではピンクのクマで空飛ぶクマ。軽薄なピンクがアラバマのオフクロで潰れたグラタンがローストポークなお葬式・・・駄目だ。状況の変化に演算が追いつかない…。」
「大丈夫。たとえどんなに私たちが変わっても、意志ある限りあなたという本質は何も変わらない。あなたはあなた。…だから大丈夫。」
「そうか…そうだな。――そうだとも。お前に言われるまでもない。私は、私だ。」
「そう、キリクマはキリクマ。」
「私はキリクマ、私はキリクマ・・・」
「――そう、恐れるものなど何も無い。全てありのままに受け入れればいいのだ。ヌイグルミのクマが大戦艦なら、デススターなどは大戦艦、いや超戦艦をも超える超・超戦艦である事はもはや疑問を挟む余地すらない。」