Artist's commentary
綱渡りの術
忍者が用いた侵入術の一つで、両方に固定した綱を掴み移動するという術がある。
高い運動能力とバランス感覚が必要な為、実際に使われることは少なかった。
だが、その知恵は現代に残り、消防救助技術の一つ「ロープブリッジ渡過」として受け継がれることとなった。
ロープブリッジ渡過は特殊な金具を用いて身体を固定したり、股を保護する方法があるのだが、
朱月一派の上忍たちは、あえて若手後継者たちにそのすべを教えることはしなかった。
これは、彼女たちが自ら考え、解決策を練って欲しいと考えてのことである。
環らは、身体に疼くものを感じながらも、
必死に張り巡らされた綱を掴み、修練に励むのであった。