Artist's commentary
ブラックレディとダークセーラー4戦士
セーラームーンから暗黒の女王「ブラックレディ」です。背後には、これまで描いてきたダークセーラー4戦士を控えさせてみました。放送中のセーラームーンcrystalにも、もうすぐブラックレディさんが登場すると思いますが、どのような姿を見せてくれるか今から楽しみです。2枚目は、ブラックレディ単独です。
以下、おまけのストーリーです (こんなシーンを想像して描きました)。
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ブラックレディと再び対峙する5人のセーラー戦士たち。変わってしまったちびうさの姿に、心で涙を流しながらも、うさぎは気丈に言い放つ。
「ちびうさ!きっと、あなたを元に戻してあげる! みんな、いくわよ! ムーン・プリズムパワー!メイクアップ! 」
うさぎは、純白の衣装に包まれたセーラームーンに変身した。
「あらあら、セーラームーン。変身したのはあなただけかしら?」
ブラックレディの勝ち誇ったような声が響く。
「え?」
セーラームーンが、周りを見回すと、仲間の4人は、変身せずに俯いている。
「みんな、どうしたの?」
いぶかしがるセーラームーン。しかし4人の仲間たちは肩を揺らして、くすくすと笑い出した。うつむいているので、その表情は定かではないが、さもおかしそうに忍び笑う。その状況を理解できないセーラームーンは、戸惑いを隠せない。
「ねえ、みんな、どうしちゃったのよ?」
すると、我慢できないように顔を上げる4人。だが、その表情はいつもの友人のものではなかった。邪な雰囲気に満ちており、セーラームーンを蔑むように見つめる。
「あーあ、うさぎの前で我慢するのは大変だったわ」
「ほんと。でも、うさぎったら何も気がつかないんだもん」
レイやまことが、信じられない言葉を投げかける。
「ねえ、ほんとにどうしちゃったのよ!?」
「まだ、気がつかないの? そこにいるのはあなたの仲間じゃないのよ」
「!」
ブラックレディの冷酷な言葉が響き渡る。それを合図にしたかのように4人はブラックレディに向かって歩き出す。そしてブラックレディを囲むようにして、セーラームーンに向き合った。
「この4人は、私の忠実なしもべ。私こそが真のプリンセス。」
「え!?・・・・・」
セーラームーンは、驚愕の表情を浮かべながら声が出せない。
「さあ、お前たちの真の姿を見せてあげなさい」
「はい、ブラックレディ様」
4人は一斉にうなずき、腕を掲げて変身ポーズをとった。
「ダーク・クリスタルパワー!メイクアップ! 」
黒い閃光が彼女たちを包む。その中から現れたのは、漆黒の衣装に身を包んだ4人のセーラー戦士。彼女たちは既に洗脳され、ブラックレディに忠誠を誓うダークセーラー戦士へと変えられていたのだ。
4人は挑発的な表情を浮かべ、セーラームーンに新しい姿を見せつけて、さも満足そうにつぶやく。
「どう、私たちの姿。綺麗でしょ」
「ブラックレディ様こそ真のプリンセス」
「セーラームーン、あなたはブラックレディ様にとって邪魔なの」
「これから、たっぷり可愛がってあげるわ」
口々に豹変の台詞を吐く、かつての仲間たち。
「う、うそ・・・」
仲間の信じられない姿に衝撃を受けたセーラームーンは、その場にへたり込む。一方、楽しそうに邪悪な表情で迫るダークセーラー4戦士。
「うふふふ・・・」
ブラックレディは歪んだ笑みを浮かべ、その光景を満足そうに眺めていた。