Danbooru
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Artist

  • ? dandara (karakure) 437

Copyright

  • ? kantai collection 511k

Character

  • ? ryuujou (kancolle) 8.7k

General

  • ? 1girl 6.7M
  • ? brown hair 1.7M
  • ? comic 588k
  • ? flat chest 192k
  • ? japanese clothes 431k
  • ? kariginu 9.4k
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  • ? magatama 12k
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  • ? shikigami 2.0k
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  • ? solo 5.5M
  • ? twintails 996k
  • ? visor cap 26k

Meta

  • ? commentary request 3.6M
  • ? highres 6.1M

Information

  • ID: 2098838
  • Uploader: Stun-99 »
  • Date: almost 10 years ago
  • Approver: Sauced »
  • Size: 3.26 MB .png (1920x1200) »
  • Source: pixiv.net/artworks/52020156 »
  • Rating: Sensitive
  • Score: 2
  • Favorites: 3
  • Status: Active

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ryuujou (kantai collection) drawn by dandara_(karakure)

Artist's commentary

  • Original
  • 『白波は謡う』

    その娘は神童と呼ばれた少女だった。様々な才能に恵まれ、どんな事でもそつなく、また人並み以上にこなして見せる優秀な娘だった。家もそれなりに裕福であったし両親も一人娘の彼女を心から愛していた。何不自由の無い生活。周囲からは羨望と期待。まるで小国の王女の様だった。それが何時までも続くと思っていた。無垢に。無邪気に。そうして、娘は知る事になった。何事にも永劫不変のものなど存在しないと。深海棲艦による空襲。家も家族も故郷も、ほんの一晩で跡形も無く焼き尽くされた。彼女を神童と崇める者達は一人もいなくなった。今や彼女はただの少女だ。そして、ただの少女がたった一人で生きていける程、この世界は甘くもなければ優しくもなかった。人身売買組織。何時の時代も付いて回る人間の暗部、悪意の形。心無い大人の手によって、少女は名も無い孤児の一人として売られた。唯一幸運であった事。それは少女の才能は今尚失われてはいなかった事だ。少女の買い手である男は裕福であり、またそれ故の退屈を持て余していた。多彩であり多芸であった少女は自然と男の一番のお気に入りとなる。少女は自らの才覚を総動員して男の懐柔を試み、これに成功した。その為にはどんな苦労をも厭わず、また障害となるものの排除に躊躇はしなかった。自分と同じように買われて来た哀れな娘達をも利用し、時には甘い言葉で自滅へと誘い込み、時には都合の良い手駒として使い潰した。何も感じなかったと言えば嘘になる。少女の最たる才能は人に愛される事だ。稀有なる才だったが、彼女は人に愛される以上に人を愛した。だからこそ、誰もが彼女を慕い、尽くし、神の如く敬愛したのだ。例え意図して手に入れた思慕や好意であっても、だからこそ、その価値が何物にも変え難いと知っていた。知っていたからこそ余すことなく利用した。せめても、自分を愛してくれた彼女達、その好意と真心を無駄にしない為に。数年の後に少女は娘と呼べる歳となり、男の養子という立場を手に入れていた。有り余る財力と権力を使って用意した一流の教育環境。それは娘の才能をさらに多彩に、更に並外れたものへと成長させた。更に数年の後、娘は亡き養父の後を継ぎ、この世界で唯一となった巨大な流通市場を支配するようになる。亡父の死因には不審な点がいくつもあったが、それを追求する者は一人もいない。娘が悉く闇へと葬ったからだ。娘は受け継いだ資産を実に効果的に使って見せた。関係各所へと働きかけ、幾つもの太いパイプを作り、特に軍部との繋がりを強力なものにした。それから更に数年。娘は艦娘養成学校へと進んでいた。手に入れたもの一切を捨てる事に微塵の躊躇いも無い。娘の目的はただ一つ。深海棲艦への復讐である。それ以外のなにものにも娘は価値を見出さなかった。■横須賀艦娘養成学校。娘に振られた番号は30。ここにいる間、自分を含めた候補生達は人間ではない。艦娘になるか、死ぬかの二つに一つ。無論、娘には死ぬつもりなど毛頭無い。元になる名を捨て、全てを失い、そうまでしてここにいる理由は、艦娘となり深海棲艦を残らず殺し尽くすためだ。娘の才能は何処に行っても如何無く発揮された。同級生、先輩、後輩、教官に至るまで誰もが娘を慕ってやまない。他人を利用する事に今更臆面も無い。時には成績優秀で模範的な候補生として。時には手の掛かる問題児だが放っておけない生徒として。時には何かと気になる可愛い後輩として。時には頼りになる憧れの先輩として。幾つもの顔を器用に使い分け、養成学校中の人間、その全てを掌握するのに然程時間は掛からなかった。ごく自然に、当然の結果として。娘は卒業試験に難なく合格し「軽空母龍驤」となった。なってしまえばどうと言うことは無い。これで漸く、深海棲艦を残らず駆逐するという長年の目的が果たせる。自分は今その起点に立ったのだから。■艦娘となった龍驤が配属されたのは横須賀の遊撃部隊だった。快速の艦娘を主軸として構成されたその部隊は一人一人が一個艦隊に匹敵する精鋭ぞろいだ。身軽さを武器に各地の戦線へと送り込まれ、掃海と殲滅、威力偵察、強襲と幾つもの作戦へ参加した。龍驤は次々と戦果を挙げていき、低練度ながら部隊を一つ預けられるまでになる。龍驤にとって鎮守府での生活は理想そのものだった。憎い深海棲艦を心行くまでぶち殺せるうえに、それによって報酬を受けられ、人に褒められ頼られるのだ。これ程に愉快な場所も無い。これまでの様に、何かを成し遂げる為に他人を騙したり利用したりなどと言った事もしなくていいのだ。龍驤は心から安堵していた。だからこそ―――、それに気付くのが致命的に遅れた。自分がかつて欺き、利用し、使い捨てにしてきた者達の一人。記憶の奥底へと沈んだ筈の過去の亡霊。そこから這い出し迫りつつある悪意に、龍驤は気付けなかった。龍驤と同じく全てを失い、龍驤と同じように買われ、龍驤によって利用され、裏切られたとある少女。彼女は忘れていなかった。龍驤が全てを過去に流そうとしていた今になっても。決して。彼女は忍耐強く周到だった。漸く見つけた長年の憎い相手を万が一にも逃がさない為に。自分がかつてそうされた様に、龍驤を利用し、その全てを奪う為に。―――それはどこまでが必然であったのだろう。味方の勢力圏内での哨戒。装備は索敵の為に最小限のものだった。近海を一周してすぐに鎮守府へ戻る筈だった。情報に無い敵の大艦隊。途絶する通信。誘われるように追い込まれた袋小路で、龍驤は初めて彼女の声を聴いた。嗤いながら彼女は言う。「私を思い出せ」そして「死ね」と。龍驤は思い出せなかった。今までどれだけの人を利用して切り捨てて来たか最早龍驤自身にすら分からないのだ。捨てて来た筈の過去に追い詰められながら、龍驤は仲間達とただ逃げ続けた。自分は報いを受けるべきなのだろう。だが仲間達は違う。彼女達はただ龍驤を信望しここまでついて来ただけなのだ。彼女達は死ぬべきではない。否。彼女達を死なせたくなかった。龍驤は今になって、初めて自ら他人の為に何かをしようと思ったのだ。死なせたくない。それはあまりにも細やかで健気な願いだった。そして、その願いが叶う事は無かった。艦隊は龍驤を残して全滅した。正確には龍驤が最後の一人になった時に、図った様に救援が来たのだ。龍驤は救援に来た友軍によって拘束され、そのまま軍法会議へとかけられた。独断専行。越命行為の戦闘。艦隊全滅の責任。自分を責める声が何処か遠い世界の事のように思えた。龍驤は遊撃部隊から外され、それまでの戦績を全て抹消された。部隊を全滅させた無能な指揮官のレッテルを貼られ遠方の名前も知れない鎮守府へと追いやられた。龍驤が横須賀を離れる直前に、艦娘が一人、変死体で発見されたが誰も気に止めなかった。その数年後に、龍驤はいい加減で悟っていた。鎮守府にいる限り、しがらみは付いて回る。龍驤のたった一つの望み。深海棲艦を思う存分に殺す為に、何にも依らず何にも縛られず、好きなように生きて死ぬ為に。龍驤は鎮守府を離れ、独立艦娘となった。時間は掛かっても独立部隊を立ち上げる事に決めた。自分と同じように、しがらみを抱えた艦娘だけを集め、自由に生きて戦うために。後に第三〇七独立航空遊撃部隊と呼ばれる部隊。今はまだ、龍驤ただ一人の部隊だったが。

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