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Artist's commentary
ベレッタ AR70/223
イタリア初の小口径ライフルとして1970年に登場したのが、このベレッタAR70/223であります。
設計は60年代後半、「歩兵用ライフルの口径は小口径のほうがいいみたいよ」という風潮が強まった頃で、元々はベレッタ社がかのSIG社と共同開発していたライフルです。しかし開発途中で作動方式を巡って両社は対立、結局喧嘩別れしてそれぞれ別のライフルを作ることとなり、70年にベレッタ側がこの銃を完成させています。
作動方式は堅実なガスピストン式でレシーバーも生産が容易なスチールプレスと保守的な設計に思えますが、部品の組み換えが可能なシステムウェポンとして設計されているためM63ほどの柔軟性はないもののカービンやマシンガン等の形態でも運用できるという特徴も持ち合わせています。
これらの優秀な設計から南米や中東を中心とした輸出もそれなりに成功したほか、イタリア国内においても特殊部隊や海兵旅団といった精鋭部隊を中心として試験運用されたものの主力の座に至るまでの評価は得られなかったようで、本銃を改良する形で開発されたAR70/90に取って代わられるまでイタリアの主力小銃はM1ガーランドの改良型であるBM59のままだったようです。
そういう事情もあってベレッタの銃器にしてはあんまり知名度が高くない気がするんですが、イタリアらしい端麗なデザインのストックやハンドガードと細身で精密感のあるレシーバーの組み合わせが極めてかっくいいライフルなんでないかと思います。最新鋭のARX160を除いてベレッタ製ライフルはまったくトイガン化に恵まれてない空白地帯なんですけど、そろそろどっかモデル化してくれませんかね…