Artist's commentary
DBFZ "The Team" Drawing Process
■Eスポーツとしても人気の格闘ゲーム「ドラゴンボールファイターズ」で活躍しているプロプレイヤーさんの世界大会出場への応援絵として、その方が使用しているチーム:完全体セル・バーダック・超サイヤ人ベジータを描いたものです。
■自分用にも残したいので、工程まとめました。(頭の中だけじゃ絶対わからなくなる;)こういう塗りで良い感じに仕上げる上での決め手は、やはり陰影(ライティング)とその色味だと思います。
グラデーションマップを使うと一発でいい雰囲気が作れるので、個人的にもオススメです。色調にまつわる調整は使い勝手も含めてPhotoshopが最強だと思うのですが、クリスタでも出来なくはないので、今回もほぼクリスタで描いてみました。
■工程について
①イメージのアウトプット:
いつものクロッキー帳(A5)に、一番明確にしておきたい顔をメインにスケッチ。
②ラフ画作成:
スケッチをスマホでスキャン、PC上でデッサン直しつつ各キャラの全体描き。
③線画作成:
バランス調整しながら、線画起こし。デフォルトのGペン使用。
④ベースカラーで配色:
各キャラの基本カラー塗り。やわらかくしたいので、わたし自身が塗る本来の色味よりも少し明るめにしておきました。
⑤本体の陰影付け:
ライティング用語で言うところのAO(アンビエントオクルージョン)を入れて、本体そのもののベースとなる立体感出し。塗りはデフォルトの不透明水彩使用。
⑥光源からの陰影付け:
光源を考慮した大きめの陰入れ。雰囲気出したいので今回はキャラの後ろあたりからのライトに。
⑦陰影に色づけ:
先ほどの陰影(AOとKey)を統合させた上で、グラデーションマップで色付け+調整。セルはボディの大半が緑なので個別で少し色の掛かり具合を変えてます。
⑧ベースカラーと陰影を合体:
先に用意したベースカラーの上に色付けした陰影を乗せます。(今回はハードライト乗せ)これだけで一気に作業が進んだ感じになる&完成形が見えてくるので、気分が良いです(^ω^)」
⑨逆光付け:
Rimライトで陰側の輪郭を持ち上げます。空気感出てくるので、この作業も好きです。
⑩細部加筆調整:
近頃流行りの?、肌など陰の境目部分の彩度を上げるアレ、3DCGのライティング用語で言うところのSSS(サブサーフェイススキャッタリング)だと思うのですが、ちょっとそれを入れてみたりハイライトや陰影の付き具合を上から加筆して整えてます。足元に暗めのグラデーションを入れるとキャラが画面の中に落ち着きます。
⑪効果追加(後ろ):
シンプルに雰囲気出したかったので、モヤっぽいエフェクトを後ろに流しました。最背面に置いているグラデの色味も画面全体の雰囲気を出すには大事な部分だと思うので、結構時間をかけてイメージにあったカラースキームを持ってる画像を参考にしつつ、グラデーションツールで配色してあります。
⑫効果追加(手前):
むかーし描いた絵に使ってた塵エフェクトをコピペ。適当に散らしておきました。塵を光らせてるのでキャラにもその光の反射色を入れておきました。ここからはPhotoshop。
⑬完成:
3人重ねて配置しているので見づらいかなーと思い、若干の処理ですが、バーダックとベジータの輪郭はうっすら光らせて持ち上げておきました。
■正直わたし個人としては塗りは結構苦手なほうなので、常に効率良くイイ感じに塗れる方法をいろんな絵描きさんの描き方も参考にしながら試している感じです。そういった分析作業自体はいつも楽しい(^ω^)
とはいえ結構めんどくさがりなので、ツールは基本デフォルトしか使わないのですが、デフォルトツールでも充分描きたいものを描ける思います。(処理の仕方の詰めが甘くて、多少筆足の残り方が美しくなかったりするんですが;)配布されてるものも試すことはあるんですが、結局デフォツールに戻るタイプです。
作業を進めていく際にわたしの場合は、塗り込みながらどんどん変えていくのとは違って、一つ一つの工程で決め打ちしていく流れが一番性に合っているみたいです。ひとつひとつを明確にしてから次へ進むという感じです。性格出ますね。
DB絵描きさん含め、誰かの参考になるとうれしいです(^ω^)」