Artist's commentary
オリジナル 鳴瀬川亜子による都市伝説調査記録「くねくね」
■■大学新聞部 特異存在調査報告 鳴瀬川亜子による都市伝説「くねくね」に関する調査記録。
この所連続して起きている不可解な死傷事件との関連が噂される異形存在であるくねくね、その目撃が報告されている廃墟にて遭遇。
想定外の特性と凶暴性により逃走に失敗、強制的な接触を受けることとなった。(接触記録Aを参照の事)
対象は2メートルを超える大柄な人型ではあるが、全身が蛸の触手を重ね合わせるようにして構成されており、噂における「くねくね」とは大きく異なるものであった。
こちらの言語は理解しているようであった為、対象との接触の後に取材交渉を開始、結果はい、いいえのジェスチャーによるインタビューに成功。
+接触記録A
部長権限により削除済み。
以下インタビュー及び対象の反応をこちらで読み上げての音声記録。
―あなたは人間を殺したり狂わせたりという噂が立っていますが、それは正しいですか?
怒ったように いいえ
―ですが実際この辺りでは不可解な死亡事件、男女問わず自我を失った状態で発見される事案が多数起きています。
それらの被害者は皆、強制的な性交渉を行った痕跡が発見されていますが、これらは関係がありますか?
少し考えてから はい
―ではあなたが先程わたしに行ったことはあくまで殺傷などの意図はなく、一連の不幸な事件は偶発的なものであると言うことでしょうか?
少しすまなそうに はい
―(ため息)まあ、あんなことをされれば人によっては…というか男性はまずいでしょうね。
あなたが人間に対して敵意があるわけではない事はわかりました。
ではあなたが行っていること、あれは子孫を残そうとしているのでしょうか?
いいえ
―性交渉としての意味もないと?
はい
―殺傷としての意図もなく、性交渉としての意図もない、男女を問わないことも謎が残ります。
これらについて問わせて頂きます。
あなたの行動は快楽を求めてのことでしょうか?
いいえ
―相手は誰でも良いのでしょうか?
いいえ
―何か行為に及ぶ基準がある?
はい
―本当にくねくねとは大きく異なりますね…。
(少し考えてから)あなたは都市伝説のくねくねと呼ばれるものとして噂されています。
(くねくねについて説明する)
これらはあなたに当てはまりますか?
困ったように いいえ
―ではくねくねとは異なる妖怪の一種?
苛ついた様子で いいえ
―未発見の生命体?
いいえ
―神の一種?
嬉しそうに はい
―なるほど、ではその姿は元々のものではない?
はい
―望んで変化した?
悲しそうにいいえを繰り返す
―姿が変わったのは経年や環境・他の神などとの対立によるもの?
いいえ
―姿が変わったのは人間が関係する?
はいを繰り返す
―なるほど、姿が変わったのは人々から忘れ去られた、信仰を失ってしまったから?
悲しそうに はい
―まあ、今の時代は難しいでしょうね。では人間との性交渉は信仰を失った後から始まったもの?
はい
―なるほど、少しわかってきました。人間に吐き出した精液…なのかはわかりませんがこれらは信仰の代わりを得るための何か?
はい
―では行為に及ぶ基準ですが、これらは霊感などの何か特別な力を持つ人間を選んでいる?わたしにそう言ったものはありませんが。
いいえ
―見た目や人柄、信仰している神などを基準にしている?
いいえ
―行為対象はかなり広いように思えますね。
では、私がしている活動は基準に関係がありますか?
はいを繰り返す
―心霊・都市伝説などに興味があったり、遭遇経験がある人間が基準?
はい いいえを繰り返す
―惜しいと言った感じでしょうか、では興味ではなく…そう、心霊や神の類の存在を認めている人間が対象?
はいを繰り返す
―なるほどわかりました。信仰の代わりとしての何かを植え付けるにも、信仰対象である自分の存在を信じていないと意味がない、と。
はい
―ですが、これではあなたは信仰どころか恐怖の対象として見られてしまうことになります。
信仰より恐怖が上回れば、人は避けたがるものです。これはあなたにとってもあまり有益な事とは言えないのではないでしょうか?
悲しそうに はい
―死傷者が出るのを見過ごすわけにもいきませんので、私もあなたの問題の解決に向けて動いてみます。
ひとまずしばらくの間はこのような行為を控えて頂くことは出来ますか?
はい
―こちらで行う事の効果があるかどうかの定期的な報告が出来ればと思います、お会いする時はこの場所で良いですか?
はい
―ありがとうございます、今日は有益な情報が得られました。
あなたにも良い展開になるよう尽力させて頂きます。
嬉しそうに はい
―あー、ちなみにこの精液ですが妊娠の可能性はありますか?
対象がこちらに手をかざす。
―腹部の違和感が消えましたね…これは、対処してくれたのでしょうか?
はい
―そうですか、安心しました。私にもそう言った相手がいるもので。
――インタビュー終了――
文字数が足りなかったので別ページにもう少し載せてあります。
novel/10903908
極度のめんどくさがり、でも興味のあることはちゃんとこなすなうちの子「鳴瀬川亜子」の簡易紹介小話です。
基本的にはとある理由から都市伝説の調査、色んな妖怪とエロいことをしつつたまにデレて部長といちゃつく感じの子です。
めんどくさいが口癖ですがいい子なので愛でてあげて下さいネ。
fanbox支援者様向けには文字なし含めて17枚程の差分がありますので、興味のある方は是非。(ここでは真っ黒ばかりで申し訳ありません、でも文字での淡々としたエロ報告って最高に好きだったので載せました…)