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Artist's commentary
コドクワタッテ
孤児の少女は使用人として街にある屋敷に売られた。
屋敷の主人は没落した貴族だが、若くて優しい人でもあった。
二人は不自由のない日々を送り続けていた。
ある日、この国と隣国は戦争が勃発した。街はまだ戦火を浴びてないが、
国の兵隊は徴兵の目的でこの街にやってきた。
街にいる若い男は例外なく連れ行かれた。
この国では階級低いの貴族は自分の財産が兵役免除と引き換え権利がある。
しかしこのまま自分の財産を国に渡したら、あの少女もまたどこかに売られるんだろう、彼は思った。
そして彼自らその権利を放棄し、少女ひとり屋敷に残してまま戦場に送らせた。