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—その声には近づくな—
　
　
　
　
■闇に啼く者(ヤミニナクモノ)■
　
別称：
泣き泥(ナキドロ)
　
死獣の沼地、汚染された遺跡を中心に存在が確認されたモンスター。
　
彼らは他種族と似た姿を取り、泥を変形させて作った穴とエアポンプを器用に使い、その姿の種族の泣き声と似た音を出す。
その音を聞きつけて近づいてきた者を毒沼へ引き摺り込むというのが彼らの狩りだ。
　
彼らは他種族の事を餌としか考えておらず、意思疎通は不可能。
　
身体は脆いがすぐに再生する為、ただので剣は足止め程度にしかならない。
炎や氷結等、水分に影響を与える魔法は傷を与える模様。
　
生命の星光石によって汚泥が変質したのか、それとも別の種族を汚泥が変質させたのかという事までは解明されていない。
　
ここ数日で奇怪な魔術兵器を着用させられた泣き泥が増えている。
該当地域の兵士は警戒を怠らないようにする事。
　

彼らは汚泥から無数に生まれる。
　
彼らは生きている者の姿はしない。
　
アイツは先程まで火の番をしていたはずだ。
　
あれはアイツの声だった。
　
あれはアイツの顔をしていた。
　
　
　
泥の下、一瞬見えた顔は確かに
　
　
　
追記：
討伐したモンスターの中から人の一部と思われるものが発見されたとの報告。
他の兵士の動揺を誘う可能性がある為、報告をしてきた者には口止めをしておいた。
死体を利用するモンスターであった場合は躊躇する者も少なく無い事が予想され、指揮に影響を及ぼしかねない。
もう少し、研究材料が必要なようだ。
　
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