怖いのは兄が歩んできた道が、自分がその背を追いかけて歩んできたこの道が、この靴で歩み続けてきたすべてが無意味だったと思い知らされること。

「ワタシは鬼になる」

その覚悟は兄を信じたがゆえでもあり、友が自分の道を支えてくれると知ったから。眠りし鬼の力を怖れる弱さは塗りつぶせる。ワタシは独りじゃないから。
（壁を破ったヨミの胸中）