
Artist's commentary
襲来
「うぅ…雨ちーが男の人にプレゼントだなんて…いつのまになの…」
友人の告白に受けたショックは大きく、どうやって家に帰ったかもよく覚えていない。
まさか、まさか雨ちーが…それも、人間離れした…キモい汚っさんになんて…
……ん?そこまで言ってたっけ?……言ってたような気がする。うん。
とにかく、雨ちーがあんな汚っさんなんかに騙されるなんて許せない!
ちら、と机の上のPCに目を向け、メールソフトを起動し昨日送信されてきたファイルを開く。
送信者は『畜』。本文もなく、複数のPDFファイルが添付されているのみ。ウイルスが仕込まれていないのは確認済み。
少し緊張しつつもファイルを開くと、そこには昨日も見た複数の画像ファイル
…私が、雨ちーが、モブ子が、友人たちが、気持ちの悪い汚っさん達に次々と凌辱され、孕まされていく姿の数々。
むろん、ただのフィクション。これに怯える必要などないのだけれど、気持ち悪いという以上に、何か、不吉なものを感じた。
「…はっ!まさか、これは汚っさんが雨ちーをモノにするという予告かもなの!」
点と点が繋がってしまった!こうしてはいられない、雨ちーを助けなくてはっ!
慌てて雨ちーのとこへ向かおうと顔をあげて…
……え?
そこは私の部屋ではなかった。
見知らぬ室内。見知らぬ機械。いつの間にか私は拘束されて、そして周囲には…
気持ちの悪い、無数の裸の汚っさん連中!
「え…な、に…どういうことなの…」
稼働中だった防衛システムも反応していない。
パワードスーツも起動しない。
何が起こっているのかわからない。
あてもなく視線を左右に揺らし、状況を確認しようとする私に、一際気持ちの悪い汚っさんが一歩近づいてきた。
…見覚えがある…あのファイルで、フィクションの世界で、私を犯し孕ませていた汚っさん…
恐怖に震えてカチカチと歯を鳴らしながら見上げる私を見て、汚っさんは、薄く笑った。
「すごいよのぉ、夏波…まさか、フィクションと現実の世界を繋げるなんてことまでできるなんて…のぉ…?」
…な、何を言っているの…?この汚っさんは…
「…わかっておるだろう?『夏波は汚っさんに逆らえない』…これは明確なルールだ…無論、この現実においても、の…」
フィクションの世界から来た?この汚っさん達が?あの画像から?
でも…でも、そんなことがあるはずない…
「わ、わたしは…そんな機械作ってないし…あなたたちなんかを呼んでもいないの…」
当然の疑問とも言えないような呼びかけに、汚っさんは小ばかにするように鼻で笑った。
「わかってないのぉ、夏波。お前さんは因果をも変えることが出来るんだろう?」
「『機械を作ったからワシ等が来た』んじゃあない…『ワシ等が来たから機械を作った』…そう変えてしまったんじゃよ、お前さんがの…。」
意味が、意味が分からない
因果を改変すること自体は、確かに私ならできる。
けれど、そんな風に変えたことなんて…
未来の私が?それとも異世界の私が?まさか、フィクションの世界の私が?
けれどもし、この汚っさんのいうとおり、あの世界とこの現実が一つになってしまったのだとしたら…
きっと、逃げられない
あの世界の結末から
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【pixiv #103580612 »】でなんか夏波さんが畜のイラスト認識していたので
現実世界の夏波さんが第四の壁を突破して違う世界線を知ってしまった結果、あちらの世界線の汚っさん達も此方の世界線を知ってしまい、ただのフィクションがノンフィクションになってしまったという設定のフィクション
何を言ってるんだと思うかもしれませんが畜も何を言っているのかわからないので問題ありませんね(*‘ω‘ *)
深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いているのだ。のだー٩( ''ω'' )و
…手錠の鎖を書き忘れてる?多分夏波さんが作った不可視の鎖なんですよ_(:3 」∠)_